小野 正人
アメリカのインターネット・インデックスをご存知ですか?
インターネット関連企業の株価が, 昨年秋からものすごく上昇しているとは報道されてます。インターネット・インデックスとしては, ISDEXというNASDAQのインターネット関連代表50社の指数がありますが, これらの株価が98年秋から現在までに3〜4倍に上昇しています。
最近, このISDEXについて少し調べてみました。50社の時価総額を合計すると, 2月20日時点で48兆円!。時価総額トップのシスコ・システムズは20兆円, 第2位のアメリカオンラインは9兆円, ヤフーは240億円の売上高なのに4兆円弱の時価総額です(孫さん復活の原因!)。現在, 日本の時価総額トップのNTTが15兆円, ソニーが4兆円ですから, 彼らの価値の大きさが一目瞭然です。
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しかも, この50社のうち38社で当期利益が赤字であり, また50社のうち41社が1990年代の創業(会社の年齢は平均7年), という数字をみると正直驚いてしまいます。ちょっとアナリスト的になりますが, 50社のPBR(時価総額/自己資本)が平均26倍, PBR(時価総額/売上高)が平均39倍です。日本の店頭公開企業では, PBRが1.5倍程度, PSRが0.7倍くらいですから, 本当にケタというか評価の尺度が違うのですね。
ちょっと細かいデータになりますが, このISDEX50社のデータをみてみましょう。
まあ, こういうブレイクをしていれば, アメリカのベンチャーキャピタルがもうかるのも当然です。98年のVCの投資額は142億ドル, 過去最高の97年より24%増えており, 3年連続の前年比2ケタ増だそうです。98年の投資額のうちインターネット関連が35億ドル, ソフトウエアが45億ドル, 通信機器関連が39億ドルと, いずれも前年比30%を上回る増加率です。VCの投資額は95年から98年にかけての3年間で2.5倍に増えています。
もうそろそろ, こわい段階ですね。しかし, Internet Cloudyといわれた1996年にもインターネット投資を押さえたVCがありましたが, 今や彼らは1996年の強気組に完敗していますから, なかなか投資は止められないでしょう。